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影響が広がるノースカロライナ犯罪捜査研究所(SBI)の鑑定疑惑 [海外の警察]

すでに紹介した通り、アメリカのノースカロライナ州警察犯罪捜査研究所(SBI)の血痕鑑定者が、不適切な鑑定を行ったとされ、この1月に免職となった。その直接の原因となったのは、血痕の予備鑑定のみを行っただけなのに、精密分析を行ったかのように装った鑑定書を作成していたことだった。ところが、その鑑定者は、血痕パターンの分析専門家でもあり、重大事件の多くの鑑定を行っていた。

免職となった彼は、これまで証拠に手を加えて、検察側に都合の良い鑑定結果を導いてきた疑いがもたれている。そして、手を加える前の試験結果が提出される見込みはない。彼は1987年に大学を卒業してすぐにSBIに入所に、それ以来ずっとSBIで仕事をしてきた。そして血痕パターン分析の責任者となり、22年間にわたり、血痕パターンの分析法について、SBIの後進教育を担ってきた。最近では、犯罪者プロファイル分析官として、各地の警察官にプロファイル分析の指導も行ってきた。SBIでは、昨年7月に検事総長が血痕パターン鑑定の停止を命じるまでの間、彼が教育した5名の鑑定者が血痕パターンの鑑定を行ってきた。SBIでは、血痕パターンの分析法の手続き書は存在しなかった。(日本では、鑑定手続き書(プロシージャ―・マニュアル)が存在しなくても、必ずしも、その手法を用いた鑑定結果が無効であるとはされないが、米国では、手続き書の存在と鑑定手法の有効性は直結している。)

現在ノースカロライナ州では、血痕パターンの分析を犯罪捜査に活用することはできなくなっている。しかし、混乱はそれだけにとどまらない。これまでに起訴した事件で、免職となった鑑定者が行った血痕鑑定を用いて起訴され、有罪となった事件をどうするかの問題がある。さらに現在公判中の事件がある。この裁判に、免職となった鑑定者を証人として呼ぼうとする検察官はいないだろう。

犯罪現場に残された血痕パターンは、鑑定者が整理した写真などの形でしか残されていない場合が大半である。SBI以外の新たな鑑定者を探しだすことができても、疑惑のある鑑定者が用意した資料を用いる以外、新たな鑑定を行うことは難しい。

免職となった鑑定者も、検察官の意向を実現するために、熱心な鑑定を繰り広げていた。その一つのマイケル・ピーターソン事件では、裁判に備えて、血痕が飛び散った階段の模型を作り、血液をしみこませた発泡材を被せたマネキンの頭部を木の椅子で殴る実験を行った。裁判では、実験結果を撮影した多数の写真からなるパネルを用いて、陪審員に向けて証言を行った。

検察は、この事件で有罪(仮釈放なしの終身刑)を勝ち取っているが、その事件はこれからどうなるのか注目されている。

ピーターソン事件は「階段(The Staircase)」というドキュメンタリー番組となりそのDVDが販売されている。また、この事件にヒントを得たと思われるストーリーがCSI:のシーズン6の中の「BITE ME(天国への階段)」である。
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ノースカロライナ州SBIラボの改革プラン [海外の警察]

ノースカロライナ州議会(下院)の委員会は、SBIラボ(州立捜査局犯罪捜査研究所)の改革案を全会一致で議決した。この改革案は、捜査研究所の信頼性と科学的水準の向上を目指したものである。上院で可決されれば、この改革案は強制的に実施に移される。

その改革案の象徴的なものとして、研究所の名称が州立捜査局犯罪捜査研究所(State Bureau of Investigation Crime Lab)からノースカロライナ州犯罪捜査研究所(North Carolina Crime Lab)へと変更される。これによって、犯罪捜査研究所が警察と検察のためだけの組織ではなく、すべての市民と司法システム全体の奉仕者であることを明確化した。

その他、次のような厳しい改革案が示されている。

○すべてのデータと試験結果の開示
   故意にデータを隠した職員は、司法の公正を妨げた罪で訴追される。
○ASCLD/LAB(米国の犯罪捜査研究所長会議の研究所認証委員会)の認証から外される
   組織的な鑑定の不備を見逃した管理体制は、認証研究所の基準を満たさない。
○すべての鑑定職員は、担当分野の鑑定資格の取得を義務付け、教育訓練と技能検定試験の受験を義務付ける。基準を満たさない職員は鑑定できない。
○研究所とは独立したノースカロライナ州法科学審議会を組織する。この審議会のメンバーは、DNA、化学、解剖、毒物などの分野の科学者のみで構成する(警察官は含まれない)。

警察組織以外の者が研究所長を務めることも検討されている。
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ノースカロライナ州SBIラボの混乱 [海外の警察]

アメリカ合衆国ノースカロライナ州の州捜査局(SBI-State Bureau of Investigation)の研究所では、昨年(2010年)2月以来誤鑑定問題で揺れている。問題の発端となった関係者が先週処分されたが、この問題は収束に向かうのであろうか。

グレッグ・テイラー(Greg Taylor)は、1991年9月、ノースカロライナ州の州都ローリーで売春婦のジャケッタ・トーマス(Jacquetta Thomas)を殺害したとする罪で逮捕された。テイラーは麻薬の常習者で、トーマスの死体が発見された時、死体発見現場の近くの路上で、友人のジョニー・ベックとコカインを吸引していた。車のタイヤは泥道にはまり、動けない状態のところを、警察官に発見され逮捕された。

検察側の主張では、テイラーとベックは、SUVで売春婦のテイラーを拾い、セックスの代償に彼女のコカインを入手しようとしたが、セックスを断られたことから逆上してトーマスを殺害したとのことであった。

テイラーはコカイン吸引により記憶がないという主張と、トーマスに限らず、ベック以外の誰をも車に乗せたことはないという主張であった。裁判では、トーマスは嘘をついているとされ、終身刑の判決を受けた。

それから14年経過した2007年7月23日になって、ノースカロライナ州冤罪センター(North Carolina Center on Actual Innocence)が、ノースカロライナ州無罪調査委員会(North Carolina Innocence Inquiry Commission)に調査を要求した。その果、昨年2月17日にテイラーの無罪が確定し、16年の服役を経て彼は自由の身となった。

テイラーの有罪の決め手となったのは、テイラー所有のSUVから血痕が検出されたとする、SBIラボが検察官に提出した1991年の鑑定結果であった。その鑑定を行ったデュエイン・ディーヴァー(Duane Deaver)捜査官は、その後の再検査で、一旦は血痕と鑑定された物質が血液ではないことを確認しておきながら、それを鑑定書に含めなかったという。 

元FBIの捜査官で、犯罪現場鑑識の専門家は、遺体の状況から考えて、トーマスの殺害行為を行った者の衣服に血痕が付着していないのはおかしいし、車にも、もっと血痕が残ってよいはずだと、無罪調査委員会で証言した。

テイラーが無罪となった後のSBIラボに対する監察結果では、ラボの血液血清部門の検査のうち229件で、予備試験の結果と、その後の精密試験とが矛盾するにもかかわらず、それを無視した鑑定結果が報告されていたことが明らかとなった。

鑑定を行ったディーヴァーは、本年1月14日に解雇された。これで血液血清鑑定部門での解雇者は3人に上り、今では3名だけが仕事をしているという。ただ、問題は血液血清部門にとどまらなかった。発射痕鑑定部門も、発射痕鑑定の結果を写真に残していないことが問題とされた。その対策として、この夏までに顕微鏡の写真撮影装置を購入する予算措置を講ずるとのことである。そもそも写真撮影装置がなかったということなのだろうか?
 業務多忙のため、比較顕微鏡写真の撮影を省略するということはあるかもしれないが、最初から写真撮影装置を用意していないというのはどこの責任なのだろうか?SBIの発射痕鑑定ユニットはIBISを導入している。IBISの機能は利用していなかったのであろうか?
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デトロイト市警察犯罪捜査研究所の再開問題 [海外の警察]

デトロイト市警察犯罪捜査研究所が2008年9月25日に閉鎖されたことは、ミシガン州全体の法科学鑑定を遅滞させることとなった。

デトロイト市警察では、1週間に50件の銃器使用犯罪が発生しており、その処理に必要な銃器鑑定は、2008年4月以降州警察が行うことになった。デトロイト市警察犯罪捜査研究所全体では、年間19,000件の鑑定を処理していたが、2008年10月以降は、これらもミシガン州警察犯罪捜査研究所が肩代わりすることになった。

ミシガン州では、ブリッジポート、グランド・ラピッズ、グレーリング、ランシング、マーケット、ノースビル、スターリング・ハイツの7か所に州立の犯罪捜査研究所がある。2006年には、これらの研究所全体で10万8千件の鑑定を処理したという。

2008年の3月時点で、ミシガン州立犯罪捜査研究所の銃器鑑定部門は1,200件の残鑑定を抱えていた。10月までにデトロイトの747件の銃器鑑定を引き受けたことにより、残鑑定数は1,681件に増加した。

2009年3月16日にウェイン郡の検察官が語ったところでは、デトロイト市警察犯罪捜査研究所が行った鑑定のうち147件について再鑑定をする必要があるとのことだ。これらの鑑定よる起訴は誤っている可能性があり、弁護士はさらに30件の誤った鑑定がなされていると主張している。また、これらの誤鑑定は、氷山の一角に過ぎないとも言われている。残鑑定を抱える中で、過去の鑑定の見直し作業の負担は重く、全容の解明は難しいという。

デトロイト市犯罪捜査研究所が閉鎖されたことで銃器鑑定以外の分野に与えた影響も大きく、DNA型鑑定は鑑定結果を9ヶ月待たされるようになっているという。そのため、犯罪捜査や事件処理の遅滞が進み、デトロイト市の犯罪捜査研究所が閉鎖されていることへの不満も出てきた。

ウェイン郡の検察官は、デトロイト市警察犯罪捜査研究所の活動を再開する場合でも、その運営をデトロイト市警察に任せることはなく、ミシガン州の管理のもとに置くとの見解を示した。デトロイト市警察の犯罪捜査研究所の予算は700万ドル、ミシガン州全体の犯罪捜査研究所予算は2,800万ドルだったという。今後の研究所の運営には年間3,400万ドル必要だが、その経費の一部はデトロイト市が負担することになるとのこと。
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デトロイト市警察犯罪捜査研究所の閉鎖 [海外の警察]

デトロイト市警察犯罪捜査研究所は、その鑑定結果に誤りが多すぎるとされ、2008年9月25日に閉鎖が発表された。

2007年5月に発生した一連の発砲事件の証拠資料の42個の打ち殻薬きょうについて、デトロイト市警察犯罪捜査研究所は、すべて同一銃の打ち殻薬きょうとの結論を下した。その後、弁護側の鑑定人が再鑑定したところ、そのうちの24個は1丁の銃で発射されているが、17個は別のもう1丁の銃のものであり、残りの1個は不明との鑑定結果が出された。このように少なくとも2丁の銃が使われており、当初の鑑定が誤鑑定であることが明らかとなったことから、2008年4月25日にデトロイト市警察の犯罪捜査研究所の銃器鑑定部門は閉鎖され、それまでの銃器鑑定結果の見直しが行われることになった。

それまでの銃器鑑定の見直しでは、ランダムに抽出した200件の銃器鑑定書について調査を行い、その10%で誤りが発見された。この誤鑑定率は要求基準を下回っているものであり、デトロイト市警察犯罪捜査研究所全体の閉鎖が決定された。作業基準に従った鑑定の割合は、わずか42%に過ぎなかったという。

検察は、最初に明らかとなった誤鑑定に基づいて、2件の殺人事件ですでに有罪を宣告された被告の裁判をやり直すとしているが、弁護側は2件とも無罪にすべきだと主張している。

ミシガン州警察の監察結果では、誤った鑑定結果に基づく誤った起訴があったかどうかは確定されていない。その一方で、誤った鑑定結果によって、真犯人が自由の身である可能性がある。誤鑑定が生じた原因には人的ミスのほか、資金難、設備の不足、訓練の不足があるとされた。

一方、42個の打ち殻薬きょうの鑑定は、デトロイト市警察犯罪捜査研究所の2名の銃器鑑定者によって行われ、鑑定書には2名のサインがある。誤鑑定を防止するために、2名が鑑定を行っており、その上で誤鑑定となったことは、単なる誤鑑定ではなく、隠蔽工作や警察のでっち上げの可能性があるとの意見もある。

研究所長は解任され、デトロイトの犯罪捜査研究所で行うべき鑑定は、州警察の犯罪捜査研究所で行うこととなった。

研究所は証拠物件の集積場としての役割は継続し、33名の警察官は他の部署に異動させ、35名の一般職員は再教育されることになった。

検察官は、研究所の鑑定結果を信頼し、その結果に基づき起訴しているのだから、この様に高い誤鑑定率は全くの裏切り行為であると語った。
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欧米での工具痕鑑定結果の表現法 その16 ギリシャ [海外の警察]

欧米での工具鑑定結果の表現法 その16 ギリシャ

ギリシャの警察は公安省(Ministry of Public Order)の下に置かれている。公安省は国家警察と地方警察のみならず、消防、情報局、市民防衛会議と緊急計画会議をも管轄している。

ギリシャ国家警察(Hellenic Police、ヘレニズム警察)は、1984年に憲兵隊(Gendarmerie)と都市警察(Urban Police Forces )とが統合して誕生した。その役割は、犯罪捜査、交通安全、犯罪防止を始め、公共の安全と国家の安全保障を担っている。緊急時には軍と共同して国家防衛に当たる。

アテネにあるギリシャ国家警察本部には法科学部(Forensic Division)があり、北部の都市テッサロニキには法科学支部(Forensic Subdivision)が設置されると共に、地方警察本部には地方法科学部が設置されている。法科学部は、指紋、化学分析、科学捜査、手口、統計分析等の課から構成されている。

ギリシャはIBIS導入国で、アテネのギリシャ国家警察法科学部にIBISが設置されている。

ギリシャ国家警察の法科学部の発射痕の鑑定書の結論は、次のような5段階である。

問題の発射弾丸あるい打ち殻薬きょうは、
(1)当該銃器で発射されたものである。一致(fired by)
(2)当該銃器で発射されたに違いない(must be fired by)
(3)当該銃器との関連について結論が得られない(not concluded relationship between/among)
(4)当該銃器との比較に適さない。不能(unsuitable for further comparative examinations)
(5)当該銃器によって発射されたものではない。相異 (not fired by)


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欧米での工具痕鑑定結果の表現法 その15 ノルウェー [海外の警察]

欧米での工具鑑定結果の表現法 その15 ノルウェー

ノルウェーの警察は司法・警察省(Ministry of Justice and the Police)に属している。ノルウェーの司法・警察省の起源は古く、スウェーデン王国との同君連合が開始された1818年にまでさかのぼる。ノルウェーの国土の面積は日本と同程度であるが、人口は日本の4%程度であり、現在、世界で最も豊かな国の一つとなっている。司法省は7局2部から構成されており、その職員数は約270人である。

司法・警察省は、民事局、矯正局、法制局、企画管理局、極地対策局、警察局、救援・緊急準備計画局の7局と分析部と報道・情報部の2部から構成されている。このうち警察局は、警察業務のほかに、最高検察庁と軍事訓練(憲兵)をも管轄し責務を負っている。

2001年にノルウェー国家警察委員会が組織され、その下に犯罪捜査局、国家警察移民局、国家警察通信装備局、ノルウェー警察総合大学、経済・環境犯罪捜査起訴局、中央移動警察局、国境警備局の7つの局が置かれた。これらの人員は約120名である。ノルウェーは19の行政県に区分されているが、ノルウェー国家警察委員会の下で、これまで54あった地域警察が27に統合された。警察組織全体は、約8,000名の警察官と約4,000名の一般職員及び法律職員で構成されている。警察は軍とは独立した組織であるが、緊急事態発生時には軍の援護を受けることができ、その場合軍は警察の指揮下で活動する。

ノルウェー警察総合大学(Norwegian Police University College)は1992年にを設立された教育機関で、新任警察官は警察総合大学で3年間の基礎教育を受ける。2004年6月18日に総合大学としての認定を受けたため、卒業すると学士資格が得られる。1年次と、3年次は大学で教育を受け、2年次は地域警察での実務教育を受ける。警察総合大学では、実務を経験した警察官に対する各種の専門コースも用意されており、2006年からは2年間の教育により修士の資格を得られるコースができた。

犯罪捜査局の下には研究所(Kriminalpolitsentralen Laboratory)があり、法科学鑑定及び研究を行っている。ノルウェーはIBIS導入国で、この研究所に設置されている。

ノルウェー国家警察の研究所の発射痕の鑑定書の結論は、次のような3段階である。

(1)同一銃器由来に間違いない(In all probability)
(2)同一銃器由来の可能性がある (May)
(3)同一銃器由来の可能性を除外できる (Eliminated)


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欧米での工具痕鑑定結果の表現法 その14 ハンガリー [海外の警察]

欧米での工具鑑定結果の表現法 その14 ハンガリー

ハンガリーは、第二次世界大戦後の1946年2月1日に共和国となり、その内務省の下には、悪名高い秘密警察である国家保安局(Államvédelmi Hatóság, -ÁVH)が置かれた。その秘密警察活動はハンガリー動乱が起こる1956年10月まで続いた。1949年8月18日には、ソビエトの憲法に倣った憲法を制定して人民共和国となり、1955年5月14日にはワルシャワ条約機構の誕生とともにその一員となった。

1956年10月23日の学生デモに端を発したハンガリー動乱では、ブダペストの警察本部は政治犯解放を求める群衆により囲まれた。身の危険を感じた本部長は、すべての政治犯を解放する決定を行った。しかし、それだけでは収まらず、10月29日にはヨージェフ・ドゥダーシュが率いる民兵が国家保安局を襲撃し、保安局員の大虐殺を行った。この動乱にソビエトが介入したことで、再び政治犯の粛清が行われたが、次第に秘密警察の活動は緩やかになり、社会全体も緩やかな西欧化が進行して行くことになる。

ハンガリー政府は、ハンガリー動乱発生の日から33年後の1989年10月23日、ハンガリー人民共和国から国民の人権を認める国家としてのハンガリー共和国として生まれ変わることを宣言した。その後、1990年5月に行われた自由な国会議員選挙の結果、民主フォーラムを中心とする非共産党政権が発足した。

ハンガリー国家警察のブダペストの本部には法科学研究所(Institute for Forensic Sciences-IFS)がある。IFSは法物理学・法化学部、法生物学部、犯罪捜査学部、血中アルコール部、指紋識別部及び法科学図書室から構成されている、法物理学・法化学部には有機化学・薬物研究室、赤外分光スペクトル室、無機微細物分析室(塗料、ガラス、土壌、金属)が属し、法生物学部にはDNA、血清学、組織学の各研究室が属し、犯罪捜査学部には足痕跡・工具痕、銃器、筆跡及び文書の各研究室が属している。

ブダペストの法科学研究所の発射痕の鑑定書の結論は、次のような5段階である。

比較している二つの痕跡は、
(1)確実に同一銃に由来する (Certainly)
(2)同一銃由来の可能性が高い (Most likely)
(3)不明、結論に至らない (Inconclusive)
(4)異なる銃器由来の可能性が高い (Most likely not)
(5)確実に異なる銃器に由来する (Certainly not)


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欧米での工具痕鑑定結果の表現法 その13 ポーランド [海外の警察]

欧米での工具鑑定結果の表現法 その13 ポーランド

第2次世界大戦後ワルシャワ条約機構内の共産国であったポーランドは、1980年代から、レフ・ワレサ率いる連帯の民主化運動が起こり、1989年の選挙で連帯が圧勝し、労働党と連帯などの連立政権が誕生した。翌1990年5月の選挙でにも連帯が勝利し、1990年7月6日に行われた内閣改造で、共産主義国時代から留任していた国防大臣と内務大臣が入れ替えられた。そして、その年の12月にはワレサが大統領に選出され、自由化の流れは完結した。ポーランド国家警察は、1990年4月6日に制定された警察法に基づき、国内の安寧秩序を保つ武装警察組織である。

ワルシャワにある国家警察本部は18の部門から構成されている。ポーランド国内は16の管轄区域に分割され、それぞれの地域警察が管轄している。首都のワルシャワにある首都警察は、組織上は地域警察と並ぶ地方警察であるが、特別の組織となっている。

ワルシャワにある国家警察本部には中央法科学研究所(Central Forensic Laobratory)があり、各地域警察には地域法科学研究所(Reginal Forensic Laboratory)が設けられている。

ワルシャワの中央法科学研究所の発射痕の鑑定書の結論は、次のような5段階である。

(1) 同一銃器由来、一致(Positive Identification)
(2) おそらく同一銃器由来 (Probable Identification)
(3) 不明、結論に至らない (Inconclusive Identification)
(4) 同一銃由来の可能性を除外できない (Non-Exclusive Identification)
(5) 異なる銃器に由来、 相違(Exclusive Identification)


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欧米での工具痕鑑定結果の表現法 その12 イスラエル [海外の警察]

欧米での工具鑑定結果の表現法 その12 イスラエル

イスラエルは、第二次世界大戦後に世界からのユダヤ人移民の増加や周囲のアラブ諸国との争いのある混乱した状態の中、1948年5月14日に独立した。この混乱した社会の治安と安全維持のために、独立直後に警察省(Ministry of Police)の下にイスラエル国家警察が誕生した。ただ、イスラエル政府は1998年3月26日に、イスラエル国家警察の設立日を1948年3月26日に定めている。

イスラエル国家警察は、治安維持、犯罪捜査及び刑務所の管理を行った。現在イスラエル国家警察は、公安省(Ministry of Public Security )の下に置かれ、6つの部局から構成されている。当初北部、テルアビブ周辺、南部の3方面に分割されていた地域警察は、その後中央部とエルサレム地域の2方面が分割追加された。

イスラエル国家警察は、テロと犯罪、多発する交通事故などの多くの難問を抱える中、優秀な科学捜査力を持っていることで知られている。国家警察本部には中央法科学研究所(Central Forensic Laboratory)があり、地域警察が犯罪現場から収集した証拠資料は中央法科学研究所に送付され、分析する中央管理システムを採用している。

イスラエルはIBIS導入国で、中央法科学研究所に設置されている。

イスラエル国家警察の発射痕の鑑定書の結論は、次のような典型的な3段階である。
(1)同一銃器由来、一致、肯定 (Positive
(2)不明、結論に至らない (Inconclusive)
(3)異なる銃器由来、相違、否定 (Negative)


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