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万能投影機による腔旋痕諸元の測定3 [測定法]

万能投影機による腔旋痕諸元の測定3(ばんのうとうえいきによるこうせんこんしょげんのそくてい3)

発射弾丸の旋丘痕幅の測定に際しては、万能投影機の本体内の光源を、45度ミラーで反射させて弾丸表面に斜光線照明を当てるか、外部に照明装置を下げて斜光線照明を当てて腔旋痕を観察した。45度ミラーを使用した場合は、照明が暗かったが、常に同じ角度の照明光が得られた。外部照明を用いた場合は、照明が明るく、照射方向の自由度が高い分、測定条件が変化しやすかった。万能投影機の像は奥行きが全くないが、逆に測定者が頭を移動しても像が変化しない利点がある。斜光線を当てた陰影画像から弾丸表面の凹凸が正確に推定できれば、測定結果の精度は保たれる。

陰影画像から物体表面の凹凸を正確には推定できないと考える者は、表面の凹凸が見える実体顕微鏡を使用しないと旋丘痕幅は測定できないと主張していた。当時顕微鏡で長さを測定するために、対物レンズの前に取り付けたスケールをマイクロメーターヘッドで移動させ、スケールの標線を移動させて、その移動量を読み取る測定顕微鏡が存在した。顕微鏡を覗くと物体の形状が見え、物体表面の陰影を見ている万能投影機よりずっと正確な測定ができるとの主張であった。

実際には、顕微鏡を覗きながら測定する場合には、測定開始から終了まで頭(視線)を動かさないことが要求される。特に単眼の顕微鏡では、慣れないと視線が定まりにくく、頭が動くと像の移動が生じ、観察像とスケールの標線とを合わせることが難しかった。その結果測定値がばらついても、それは測定者の練度の不足とされた。

万能投影機の平板な像であっても、同じ物体を実体顕微鏡で覗いてチェックしておけば、実際の凹凸に対応した像として感じ取ることは可能である。同じような資料を何度も計測していれば、もはや実体顕微鏡で覗くまでもなく、凹凸をかなり正確に推測できるようになる。現在は、顕微鏡の鏡筒の上に搭載したCCDカメラの像の上で測定しているが、これは顕微鏡の像を確認しながら、万能投影機の画像と同様な平板な画像上で測定値を得ており、万能投影機による測定と類似した測定法といえる。


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万能投影機による腔旋痕諸元の測定2 [測定法]

万能投影機による腔旋痕諸元の測定2(ばんのうとうえいきによるこうせんこんしょげんのそくてい2)

昭和40年代に用いてた万能投影機で発射弾丸の旋丘痕幅を測定した場合、測定結果に含まれる誤差要因には、投影面上での旋丘痕のエッジ部の読み取り誤差、マイクロメーターヘッドの目盛の読み取り誤差、この読み取った結果の測定シートへの転記ミス、両端部の測定値を引き算した際の計算ミスが挙げられる。現在では、この4要因の内の後者3要因が問題となることはない。歳をとって記憶力が衰えてくると、データの転記ミスを防ぐために、再度確認をしないと自信が持てないことが多くなった。現在でもこのような作業をしていたら、能率が相当落ちていただろう。

昭和50年代に入るとすぐに、万能投影機はそのままで、デジタルカウンター付きのマイクロメーターヘッドに交換することができた。これも当時は高価なものであったことから、作業をする際に、カウンター表示部の梱包を開き、配線を行い、作業が終了すると配線を外し、箱に梱包し、購入時の状態に戻して鍵の掛るロッカーに保管する定めであった。当時、一眼レフカメラ、交換レンズなどはすべてこのようにして管理していた。ロッカー保管はともかく、丁寧に包んでから乾燥剤を入れ、購入時の状態に戻して箱にしまう作業は、作業全体の時間のかなりの割合を占めた。

作業能率を上げるために、デジタルカウンターとマイクロメーターヘッドを、配線したままにしておけるようになるまでにはかなりの時間を要した。カウンターと配線を固定できるようになって、「工具鑑定比較写真が重要で測定値はいらない。」との考え方から、測定できるものは測定しようという環境となった。その後、測定器は急速に進歩し、万能投影機では投影面の脇にカウンターの表示部が位置するようになった。これによって測定結果を見ながら旋丘痕のエッジと標線との位置を微調整することが容易となり、エッジ形状が不良な資料から、納得できる測定値を得やすくなった。


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万能投影機による腔旋痕諸元の測定1 [測定法]

万能投影機による腔旋痕諸元の測定1(ばんのうとうえいきによるこうせんこんしょげんのそくてい1)

現在工具痕の検査では、3次元形状測定が可能であり、各種の数値データが得られるようになっている。ところが、以前の工具痕鑑定比較顕微鏡を用いて痕跡を比較し、比較写真を撮影することは行われても、痕跡の特徴を数値化することは行われていなかった。その中で、発射弾丸に残される腔旋痕の諸元データは、例外的に測定が行われてきた。腔旋痕諸元は代表的な型式特徴であり、その値から発射銃器の製造所やモデルを推定できる。

最近では高額の測定器を利用しやすくなり、先人の苦労が忘れられてきているが、戦後の物のなかった時代には、ルーペとノギスと弾丸を器用に操りながら旋丘痕幅を測定していた。そして、そのような技術を獲得できない人は、測定せずに済ましていた。その中で、比較顕微鏡以外に導入された高価な機械が万能投影機であった。初期のモデルは光源が今ほど明るくなく、周囲を暗くしして行った方がよい作業であった。投影機による寸法測定は、投影面にスケールを当てて行う手法もあるが、マイクロメータヘッドによって載物台を移動させて、測定ポイントを投影面の標線に合わせることによって行われた。

初期の投影機は、丸い載物台が丸い取り付け台の上に乗せられており、載物台が容易に回転してしまうものであった。そのため、測定の度に、載物台の移動方向を投影面の十字線と正確に一致させる作業が必要となったが、その作業が難しかったことを記憶している。狭い場所に置いてあった投影機では、マイクロメーターヘッドに何かが触れて、載物台が回転してしまうのであった。その後、取り付け台が四角くなり、一旦載物台を固定すると、載物台の調整を頻繁に行う必要はなくなった。

投影面の像を観察するには周囲を暗くした方が良いが、マイクロメーターヘッドの目盛りを読み取るには暗いと大変だが、暗い中で、バーニアを合わせて100分の1ミリメートルまで読み取った。そして、旋丘痕のドライブエッジとトレイルエッジの2箇所の読み取り結果を筆算で引き算して旋丘痕幅を算出した。当時、電卓はAC電源を使用する大型のものがあったかもしれないが、電池式で持ち歩くものはまだ一般的でなかった。マイクロメーターヘッドを回転させては、鉛筆にもし変えて、紙の上に記録し、計算するという作業を暗い中で行っていたわけだが、今から考えると能率の低い作業であった。若い世代の人たちには、このようにして測定していた昭和40年代のデーターの有難みが分かるであろうか?


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