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ライカ FS M型比較顕微鏡 [顕微鏡]

米国バッファローで、ライカのFS M型比較顕微鏡を操作する機会に恵まれた。その正式名称は、手動操作比較マクロ顕微鏡ライカFS M(Manual Forensic Comparison Macroscope Leica FS M)である。FS C型比較顕微鏡が、載物台の上下動を自動化し、共焦点顕微鏡の機能を持たせるとともに、ステージのX-Y方向の動きも電動化され、その動きは極めて滑らかで扱いやすいものであった。FS C型比較顕微鏡のこのような機能は、頻繁に使用するユーザーにとっては極めてありがたいものであるが、製品価格は高くなってしまい、フォレンシックテクノロジーの傘下に入ったプロジェクティーナのUCM型との価格競争力を失う結果となった。そこでライカが投入したのがFS M型比較マクロ顕微鏡である。Mはマニュアルを意味する。発射痕、工具痕観察用に適した倍率や視野を備えた比較顕微鏡となっている。

FS M型の発射痕鑑定用載物台は、DM C型のものとほとんど同じものであり、DM C型を使用してきたユーザーは、違和感なく移行できるであろう。比較ブリッジはFS C型のものとは異なり、新たに開発されたものであるが、そのデザインはDM C型のブリッジとFS C型のブリッジの中間型のように感じた。レヴォルバーにより最大6本の対物レンズを回転させて交換使用できる。左側の載物台の像が比較境界線の左側に見え、右側の載物台の像が比較境界線の右側に、それぞれ正立正像として観察できることは他のFS型比較顕微鏡と同様である。比較ブリッジにあるノブを操作することで、左右の比較像、左側の全画面像、右側の全画面像、重ね合わせ像に切り替えることができる。また、比較像観察時に、比較境界線の位置の移動も、もちろん可能である。比較境界線の幅とその傾きの調整も可能である。

テレセントリックの対物レンズにより、高コントラストの像が得られる。対物レンズは0.33X、0.4X、1X、2X、4X、8Xの中から選択できる。0.33Xの対物レンズのワーキングディスタンスが100mm、8Xの対物レンズのワーキングディスタンスが48mmであることを除くと、その他の対物レンズのワーキングディスタンスは60mmで、レンズ交換をしても焦点調整はほとんど不要とされている。1Xの対物レンズを使用した時の視野は22mmであり、12番の散弾薬きょうの底面全体を観察するのに適している。8Xの対物レンズを用いた時の視野は2.75mmで、発射痕、工具痕観察の最大倍率として十分である。

顕微鏡正面中央部にあるシーソースイッチによって、比較ブリッジを電動で上下する機能はDM C型から引き継がれている。載物台の移動は、DM C型と同様の、同軸の2ノブにより、X方向とY方向を手動で操作するものである。載物台の上下による焦点調整も、DM C型と同様の同軸ノブにより、粗動と微動による調整が可能である。DM C型ステージと異なる点は、FS C型に自動で装備された左右の載物台を同期して移動する機能をマニュアル操作で可能とした点で、X方向の移動のみ同期される。また、オプションのデジタルノギスを付けることで、載物台のX方向の移動量を計測可能である。

物件の保持具は、これまでのライカの比較顕微鏡で用いられていたものと同様のものが提供されている。もちろん、これらはオプションであるが、発射痕、工具痕観察用には、これらのオプションを付けないときわめて不便となる。

照明は従来のファイバー照明に加え、寿命が長い小型のLED光源、対物レンズの先端に取り付けるLEDによるリング照明、蛍光灯照明などが利用できる。この中ではLED照明が、光源部分が小型であることから取り回しの自由度が高く便利であった。毎日8時間使用すると、ファイバー照明の光源寿命が短く、ランプの消耗品代が高額となってしまうが、LED照明でこの問題も解消できる。

FS C型にある、ボタンを押すと拡大倍率が1.5倍になる機能は備えていない。鏡筒内に倍率変換レンズを入れることができ、2倍のものを利用すると、最大視野が1.37mmになるといい、発射痕、工具痕観察用としては、極めて高い総合倍率160Xで観察できるそうだ。

このように、これまでDM C型比較顕微鏡を使用してきたユーザーが、違和感なくすぐに移行可能な比較顕微鏡である。

リーズ微物鑑定比較顕微鏡 [顕微鏡]

アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス市所在のリーズ法科学システム社(Leeds Forensic System Inc.)が販売する比較顕微鏡の一つである。オリンパスのBXシステム顕微鏡の光学系を利用して、同社が1990年代初期に開発したものであり、銃器工具痕鑑定比較顕微鏡よりも歴史が長い。

現在の微物鑑定比較顕微鏡はオリンパスのBX51を2基並べて、それを比較ブリッジで結合し、ブリッジの上にBX51の接眼鏡筒を載せたものである。比較ブリッジは銃器工具痕鑑定比較顕微鏡のものと同一であるが、微物鑑定比較顕微鏡用に開発されたもので、それを銃器工具痕鑑定比較顕微鏡に用いたといった方が正しい。

比較ブリッジを除くと、オリンパスのBX51そのものであり、対物レンズ、接眼レンズ、鏡筒、コンデンサ、ステージ、デジタルカメラ(DP72/DP25)、ディスカッション装置など、すべてオリンパスのアクセサリが利用されており、各種の拡張もオリンパスのBXシステムのものが利用できる。

オリンパスのBX51が有する高性能の蛍光観察、偏光観察が利用でき、目的に応じた観察システムを構成できる。目的に応じてランプハウスを選択できるなどのBXの性能をそのまま利用できる比較顕微鏡である。高解像度、高コントラストの忠実な色再現の下で、微物の比較対照を可能としている。

比較ブリッジは、銃器工具痕鑑定比較顕微鏡と同様であるが、ブリッジ前面にある左右のスライド式セレクターが連結されていないタイプが標準となっている。すなわち、左右のセレクターを独立にスライドできることから、左右の対物レンズの像を100%にすることで、スーパーインポーズを実現している。

銃器工具痕鑑定比較顕微鏡が採用している、左右のセレクターを連結したブリッジもオプションで選択できる。この場合、左側100%の観察から右側100%への切り替えは、中央のノブに指をかけて右から左へスライドさせるワンタッチ動作で行える。この切り替えをスライド式セレクターが連結されていない標準仕様で行う場合では、左のセレクターを100%から0%へスライドし、右のセレクターを0%から100%にスライドするという2動作が必要となる。

リーズ銃器工具痕鑑定比較顕微鏡 [顕微鏡]

アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス市所在のリーズ法科学システム社(Leeds Forensic System Inc.)が販売する比較顕微鏡の一つである。同社は、微細物観察用の比較顕微鏡も販売している。

AOライヘルトあるいはライヘルトの比較顕微鏡の入手が困難になってきた2001年に、リーズ法科学システム社は発射痕工具痕用の比較顕微鏡を開発し、2001年7月8日から13日にかけて、カリフォルニア州ニューポート・ビーチで開催されたAFTEの第32回集会に展示した。以来毎年AFTEの集会で展示され、多くの会員から評価や意見を聞いて改良が重ねられてきた。

現在米国では、ライカ、プロジェクティーナとともに発射痕・工具痕鑑定用の比較顕微鏡で大きなシェアを占めるようになっている。

LCF1000とLCF1600の2タイプあり、いずれも光学系はオリンパスのマクロ・ズーム顕微鏡のものを使用している。それぞれ、オリンパスの実体顕微鏡SZX10とSZX16のズーム鏡体を使用しているものと思われる。オリンパスのズーム鏡体は、色収差を除くアポクロマートレンズシステムが採用されており、シャープな観察像が得られている。

LCF1000はズーム比10倍で、総合観察倍率は5.5倍から55倍、LCF1600はズーム比16倍で、総合観察倍率は6倍から102倍で、ライカのDMCより高倍率側の観察が可能となっている。その総合観察倍率は、ズームノブで直読できる。

現在、鑑定の品質や精度の保証が重要なテーマとなってきているが、リーズ社の比較顕微鏡の左右の拡大倍率が一致していることは、顕微鏡設置時にNIST(米国標準技術局)の証明書で保証される。

比較ブリッジ前面にあるスライド式セレクターを左右に移動することによって、観察像を切り替えることができる。ノブを左側にスライドすると右側の対物レンズの像、中央にすると左右のスプリット像、右側にスライドすると左側の対物レンズの像が観察できる。

観察像切り替えスライド式セレクターの中央にある回転ノブを回転させることによって、比較境界線を好みの太さに調節できる。

幅180mm、奥行き135mmの載物台の上に、各種のホルダーを取り付けることができる。載物台はボールねじ軸によって、横方向に55mm、前後方向に77mmのスムーズな移動が可能となっている。

焦点調整は載物台(ステージ)の上下によって行うが、1回転36.8mm上下させる粗動と1回転1.5mm上下させる微動が同軸ノブででき、全体で80mmの焦点調整が可能である。遊びのないスムーズな動作でステージを上下させることができる。ステージ全体は、円柱ポストに固定されており、ステージ全体をスイングさせて前に出すことができ、大型の物件をレンズとの干渉を気にせずにセットすることが可能となっている。さらにステージ全体が、あり溝が切られたレールに乗せられているため、左右の方向へ大きく移動させることも容易である。

顕微鏡像は正立正像で、視野数は22mmと広い。ステージには、その移動量を測定できるスイスのシルバック社のデジタルスケールが装備されており、旋丘痕幅等の測定が簡便にできるようになっている。このデジタルスケールの最小目盛は0.01mmで、0.0005インチ目盛によるインチ単位での読み取りもできる。なお、このデジタルスケールの精度について、設置時にNISTの証明書が交付される。

発射痕の鑑定では、光学性能がいくら高くても、資料を合理的にハンドリングできる資料ホルダーなしでは能率的な作業ができず、比較顕微鏡全体の価値は低下してしまう。発射痕用比較顕微鏡の資料ホルダーは、1967年に発売されたライツのフロアスタンド型で劇的な進歩を遂げた。その後の資料ホルダーは、この流れをくむものが多くなっている。その一方で、ライツ・ライカの資料ホルダーは、付属品点数が多く、その付属品も高価であった。口径ごとにアタッチメントの交換をするというのは、それまで粘土などで固定していた鑑定者にとって、かえって面倒という意見もあった。

そのような意見を受けて開発されたのが、リーズ社の資料ホルダーで、ライツ社が一括して付けた付属品をオプションで選択できるようにした(ライツ社も単品で購入することは可能だが、一括して購入しないと事実上作業ができない。)。資料ホルダーはライツ社が初めて採用した1/4円弧型のフレームに取り付けられ、その回転中心が光軸と大きくずれないように0度から90度まで角度を調節できる。ただ、この基本的な構成部品に、粘土で弾丸の頭部を固定するだけで、最低限の仕事はできるようになっている。薬きょうは、旋盤のチャックの要領で取り付けることができる。

その一方で、各種の付属品を購入すれば、いろいろ便利な資料ハンドリングができる。たとえば、磁石マウントもあり、軟鋼でできた薬きょうの底面や側面をフレキシブルに固定できる。また、工具の刃先の観察を容易にできるようにする小型の万力型資料ホルダーもある。

照明は、ステージに固定された蛍光灯照明、二股光ファイバー照明、LEDの自在照明の3種類の反射光照明が選択可能で、同軸落射照明も選択できる。

顕微鏡と載物台はともに長方形の電動テーブルに固定されている。テーブルの高さは66cmから109cmの間で調整可能で、テーブルの縁には、資料が転がって落下することを防止する縁取り段差が付けられている。これはライカのDMCやFS C比較顕微鏡にも見られない配慮である。また、双眼の接眼レンズの観察角度は5度から35度の間で調整可能で、長時間の鑑定に及ぶ場合でも、鑑定者が楽な姿勢で観察が行えるようにし、疲労の低減に配慮されている。さらに、テーブルだけでなく、顕微鏡の高さも、電動で上下させることもできる。

もちろん、デジタル写真撮影装置と、撮影した画像のデーターベースかソフトなどが選択できる。その他、二人で同時に観察可能にするオプション鏡筒、LCDモニター、作業テーブルなどの付属品が選べる。

ライヘルト 万能法科学顕微鏡Ⅳ型 [顕微鏡]

AOライヘルト科学機器(AO Reichert Scientifice Instruments)社は、その後AOの名前が外れてライヘルト科学機器(Reichert Scientifice Instruments)社となった。そして、AOの比較顕微鏡を電動ステージに載せたものが万能法科学顕微鏡Ⅳ型(Universal Forensic Microsocope IV)として販売された。

国内では富士ケンブリッジがとライカが扱った。ただ、富士ケンブリッジは当初から積極的ではなく、ライカもDMCを扱うようになり国内では販売しなかったと思われる。

比較ブリッジの改良で、左右の位置が逆転しない状態で正立正像が得られるようになった。接眼レンズはAOの比較顕微鏡と同じで、双眼の5X、10X、15Xの3種類を差し替えて使用できた。一方対物レンズは焦点移動のないパラフォーカルのものが4本用意され、それぞれ1X、2X、3X、4Xと表示されていた。これら4本の対物レンズはレボルバーで交換使用できた。これらのレンズの組み合わせで総合倍率5Xから60Xの間で8段階の倍率が選択可能であった。総合倍率5Xのときの視野は19.0mm、同じく60Xのときの視野は4.3mmであった。接眼レンズを10Xに固定し、対物レンズ2Xにした視野10mm、対物レンズを40Xにした視野5mmの観察が、発射痕や工具痕の観察には向いていた。

対物レンズの作動距離は約1インチに設定されており、以前のように倍率をj下げたときに手が届かないといったことはなくなるとともに、比較ブリッジの上下を行う必要もなくなった。1インチの作動距離は、資料の取り扱いに支障のないものであった。

載物台を上下させて行う焦点調節も、オプションで粗動ノブと微動ノブとが同軸に取り付けられたものを選べ、迅速で正確な焦点調節を可能としていた。また、これらのノブはひとつの載物台の左右に取り付けられており、メモを取りながら左右どちらの載物台の焦点調節などの作業もこなせた。

写真撮影装置も、ポラロイド、4x5のシートフィルム、モータードライブの35mmカメラが選べ、予算が許せば自動露出装置が利用できた。昭和40年代では考えられないような高機能が組み込まれ、長時間の観察を可能にした実用性の高い比較顕微鏡であり、ライツのフロアスタンド型の半額以下で入手可能であった。ただ、弾丸載物台は以前のAOのものと同じであった。

アラスカのアンカレッジの科捜研を訪問した際、この顕微鏡の2号機が設置されており、そのことを大変自慢していた。


AOライヘルト万能法科学顕微鏡 [顕微鏡]

AOライヘルト万能法科学顕微鏡(AO Reichert Universal Forensic Microscope)

アメリカン・オプティカル社がライヘルト社に吸収合併されてできた、AOライヘルト科学機器(AO Reichert Scientifice Instruments)社が販売していた比較顕微鏡。それまでのアメリカン・オプティカル社の比較顕微鏡と同じものであった。双眼の接眼レンズと写真撮影鏡筒を備えた3眼鏡筒の比較顕微鏡であった。

アメリカン・オプティカル社の比較顕微鏡は卓上型で、ライツ社のフロアスタンド型比較顕微鏡の3分の1程度の価格であった。弾丸の載物台がライツ社のものと比較して、その扱いに熟練を要した点を除くと、使いやすい比較顕微鏡であった。双眼の接眼レンズが利用できることは、現在では当たり前となっているが、それまでの単眼の接眼レンズの比較顕微鏡を用いていた者にとっては、数倍の作業効率が得られる夢のような比較顕微鏡であった。作業時の眼精疲労も比較にならないほど少なく、それまで10分単位でしか作業ができなかったのが、何時間も連続して比較作業をこなせるようになった。なお、右側の載物台の資料は右側に、左側の資料は左側に見えたが、上下は逆に見えた。

ところが、弾丸載物台の使いにくさを理由に、使い物にならない比較顕微鏡とのレッテルを貼り、依然としてライツ社の単眼の法科学顕微鏡を用い、10分単位の比較作業しかできないと主張する鑑定者も存在した。実際は、廉価であるが双眼のAO比較顕微鏡が世に出たときから、発射痕の比較作業は長時間の連続作業が可能となり、観察できる資料の量が飛躍的に増大していた。それまでの鑑定者とそれ以後の鑑定者が比較観察した試料の量は文字通り桁違い(10倍以上の差)に増大したのである。

昭和52年にアメリカン・オプティカルの比較顕微鏡を導入した後、国内では同社の製品を購入するルートが一時失われていて、この機種を導入したところはなかったように思う。

双眼の接眼レンズは5X、10X、15Xの3種類があったが、発射痕・工具痕鑑定では、10X一本で全作業をこなすことは可能であった。対物レンズは145mm、80mm、48mm、32mmの4本をレボルバーで交換使用できた。対物レンズを交換すると鏡筒を上下させなければならないが、145mmの対物レンズを使用する際には、鏡筒を鏡柱の最上部にまで上げ、載物台を最も下の位置まで下げる必要があった。その際に接眼レンズを覗きながら載物台を上下させるためには、腕の長さが必要であった。

AOの比較顕微鏡で初めてファイバー照明を利用したが、操作性のよいものであった。それまでのライツの法科学顕微鏡のランプハウスは、照明方向を変更させると固定ねじが緩んでしまうことから、実に使いにくいものであった。

ユニトロン 比較顕微鏡 [顕微鏡]

アメリカのユニトロン社(Unitron Company, INC.現Unitoron INC.)の子会社であったユニトロン・インストラメンツ社(Unitorn Instruments, INC.)の比較顕微鏡。

卓上の小型比較顕微鏡であった。顕微鏡スタンドには、50Wのハロゲンランプを使用したファイバー式反射照明と、20Wのタングステン光による透過照明が各2基組み込まれており、コード類が露出していないスッキリとした構成となっていた。10Xの双眼の接眼レンズと2Xの対物レンズが標準となっており、総合倍率の20Xは発射痕や工具痕の観察には適切なものであった。

接眼レンズは20X、対物レンズは1.3Xと4Xをレボルバーに取り付けることがオプションで選択できた。

本体価格は7200ドル、追加レンズと写真撮影鏡筒のオプションを含めると8,220ドルであった。その他に文書鑑定用の載物台等のオプションも選べた。

昭和60年代にライツの比較顕微鏡が写真撮影装置を含めると1,800万円にまで高騰しており、一方でアメリカン・オプチカルの比較顕微鏡が入手できない状況にあった。当時は円ドルレートが160円程度になってきており、200万円程度で購入できるユニトロンの比較顕微鏡は魅力的な存在であった。その一方で、それまでの機種との価格差が大きすぎるので、相手にされない面もあったと記憶している。

とにかく小型の卓上比較顕微鏡で、鑑定者が自分の机の上で手軽に比較検査を行うのに適していた。載物台はアメリカンオプチカルの比較顕微鏡のものと類似したものであり、ライツの新型載物台と比較すると、目的の観察場所を探すのには慣れが必要であった。そのため、ライツ社の載物台に慣れてしまった鑑定者の間では、使いにくいものは安くても購入しないという意見もあった。

プロジェクティーナ社 MMP-1000 投影顕微鏡 [顕微鏡]

スイスの光学機器総合メーカーのプロジェクティーナ社の万能投影機。

小型の万能投影機で、繊維の観察を主目的として製品化されている。投影機本体の投影面は150mm程度の小型のものだが、デジタル技術を利用して、LCDディスプレイに表示可能で、ディスプレイのサイズに応じて拡大表示が可能となる。

繊維の太さや断面積の計測に対応している。万能投影機による寸法の測定は、最近のCCDカメラを利用した顕微鏡の画像をパソコンで測定する手法にとって代わられた感がある。

実際の作業を行ってみると、測定部位をコンピュータディスプレーのみを見ながら操作するのは、方向感覚や、移動量の感覚がつかみにくく、イライラする作業となりかねない。一方、顕微鏡の接眼レンズを覗きながら作業を行うと、載物台との一体感が得られ、目標位置に的確に追随した作業を行うことができる。顕微鏡を覗き続けると眼精疲労が蓄積するが、投影機の投影面を眺めながら行う作業は、これよりずっと楽にこなせる。そこで、いまだに投影機の存在価値があることになるが、投影画像は暗いという欠点がある。位置合わせを投影面で行い、詳細な観察はLCD画面で行えば、いいとこどりとなる。

寸法計測を行う上で、測定対象物をいかに思い通りに動かせるかが作業効率アップの上で重要である。そのためには、測定対象の測定目的に応じた機能を備えた載物台を用意する必要がある。詳細は分からないが、MMP-1000には、発射弾丸の腔旋痕角を測定するための専用附属品があるという。

ただ、発射痕の鑑定を行う部署には比較顕微鏡があるはずで、比較顕微鏡に搭載したCCDカメラの画像を用いた測定が手軽に行える現在、作業人員と比較して機材が不足している部署でもないかぎり、新たに別の測定器をもう1台揃える必要性は考えられないであろう。

プロジェクティーナ社 新型UCM 比較顕微鏡 [顕微鏡]

スイスの光学機器総合メーカーのプロジェクティーナ社の科学捜査用万能比較マクロ顕微鏡(以下UCM)に改良が加えられ、新型に生まれ変わった。

光学系の構成には変化はなく、対物レンズは1X、6X、30Xの3本を使用するが、レヴォルバーが電動となり、ステージ前面の押しボタンで交換可能となった。中間レンズも1X、1.75X、3Xの3段階で変更はないが、その選択も押しボタンで電動交換し、10Xの接眼レンズを組み合わせて、総合倍率は1X、1.75X,3X、6X、10X、18X、30X、52X、90Xの9段階が選択できる。

1Xの対物レンズを使用した場合の作動距離は215mmで、観察視野は150mm~45mm、6Xの対物レンズの作動距離は120mmで、視野が22.5mm~7.5mm、30Xの対物レンズの作動距離は100mmで視野が4.5mm~1.67mmである。これらの拡大倍率や作動距離に変化はない。

これまで、接眼レンズと撮影カメラへの光路切換えは、どちらか片方に100%の光量で切り変えていたが、両者に分配するモードが追加された。

観察モードは、左側資料の全視野観察、右側資料の全視野観察、左右資料の比較観察、左右資料の重ね合わせ観察の4モードがあるが、この各モードの切り替えを電動で行えるようになった。

載物台は同社のCOMAC比較顕微鏡のために開発された、モジュール載物台に統一された。

選択されたレンズ、比較観察モードなどは、ステージ前面の液晶パネルに表示される。

プロジェクティーナ社 COMAC 比較顕微鏡 [顕微鏡]

プロジェクティーナ社のコンパクトな比較顕微鏡

モデル名となっているCOMAC(コマック)はコンパリソン・マクロスコープ(比較顕微鏡)の各単語の頭をつなげた造語であるが、COはコンパクトにも通じる。基本構成で重量が45kgに抑えられいる小型の卓上型比較顕微鏡である。

これまでのCOMACは、同社のUCM型比較顕微鏡と同様に1X、6X、30Xの3本の対物レンズをレボルバーで交換使用していたが、このたび、ズーム比4.8倍あるいは6倍のズームレンズを使用する製品に改良された。1Xと6Xの中間レンズを交換使用することにより、総合倍率2.5X(視野85mm)から72X(視野3mm)あるいは90X(視野2.3mm)までをカバーする。

比較ブリッジは、比較観察像、比較重ね合わせ像、左側、あるいは右側の対物レンズの全体像の観察が切り替え使用に対応している。観察像は正立正像である

ワーキング・ディスタンスが130mmであり、観察資料の取り扱いが楽にできる。また、比較ブリッジは電動で80mm上下できることから、高さの異なる資料を観察する際の焦点合わせも楽だ。載物台は手動で60mm上下でき、X、Y方向に各50mm移動できることから、大きさの異なる資料間の比較や、広範囲の観察も問題なくこなせる。

資料ホルダーは、弾丸・薬きょう用ホルダー、散弾銃の薬きょう用ホルダー、3方向から資料を締め付ける3点ホルダー、円柱状資料を挟むホルダー、傾斜ステージ型ホルダーなどが交換使用できる。

照明は150Wのファイバー照明を使用する。照明は、載物台、比較ブリッジに固定したクランプに固定する。以前は円柱型の鏡柱に取り付けたクランプでファイバー照明を固定していたが、剛性の高い角柱型の太い鏡柱に変更されたことにより、これはできなくなった。

写真撮影には、専用の4メガピクセルのデジタルカメラを使用する。これは昔のニコンCOOLPIX950のような外観をしたデジタルカメラで、パソコンなしで撮影出来ることから、システム全体がコンパクトにまとめられる。

実体顕微鏡 ライカM205C/M165C-2 [顕微鏡]

実体顕微鏡 ライカM205C/M165C-2(じったいけんびきょう らいかM205C/M165C-2)

従来はズームレンズを使用すると、測定に先立って各倍率位置で基準長の校正を行なってから使用する必要があり、目盛位置以外の倍率では測定値が得られなかった。ところがM205C/M165Cでは、観察倍率や開口絞りなどの数値を専用ソフトウエア(ライカ・アプリケーション・ソフトウエア)に送り込むことによって、倍率は自動キャリブレーションされ、どのような拡大倍率でもそのまま長さを読み取ることができる。従来の作業からみると、嘘のような機能が実現されている。

照明もソフトウエアによって制御可能なインテリジェントLED光源が採用されている。工具痕分野の者にとっては、このような照明がIBISという高価なシステムで採用されていたので馴染みはあるが、手の届く価格帯の製品でも利用できることになった。工具痕は照明によって見え方が異なり、鑑定者がそれを利用する一方で、非科学的との批判の対象になってきた。観察条件が保存され、いつでも呼び出すことができ、再現性のある観察が行えるようになったことは、工具痕鑑定に従事する者にとって、まさに画期的な出来事なのである。


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