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銃器工具痕鑑定の非科学性を主張する元FBI研究室長の宣誓供述書(49) [鑑定批判]

(21) 結論

 銃器・工具鑑定の結論の前提となる(痕跡の)固有性は、確率的な推論に基づくもので、鑑定者は自らの経験で得た「異なるものに由来する最も類似した痕跡」の記憶を頼りに結論を導いている。この法科学界にはびこる個体識別が可能であるという考え方が誤っていることは明らかである。その点についてザクス(Saks)とケーラー(Koehler)は次のように述べている。

 「めったに現れない特徴は固有痕かもしれないが、特徴の総数に対して、対象となっている個体の数がずっと少ないからと言って、それらの個体がすべて異なる特徴を有しているとは限らない。このことを簡単な例で示そう。00から99までの100種類の数字を印刷する宝くじの印刷機を考えてみよう。この印刷機はこの100種類の数字の中から、ランダムに一つの数字を印刷する。10人が順に印刷されたくじを引いたときに、すべての人が異なる数字を引き当てる確率は100%ではない。10人に対して、くじの種類の可能性は、その10倍の100通りあるが、実際には、すべての人が異なる番号のくじを引き当てる確率は約40%である。

 多くの法科学分野が抱えている個体識別の概念は、抽象化され、あるいは誇張された存在である。そこに科学的な妥当性はなく、出現頻度が少ない特性を固有性と考えている誤った論理である。

 固有性とは単一無二を意味している。固有の特徴は、「絶対的な特性」、「この世に一つしかない特徴」である。

 ザクスとケーラーが論究した固有性の限界に関する指摘は、DNA型鑑定に対して行われたものであるが、銃器・工具痕鑑定では、「型」が存在しないため、この問題はさらに深刻なのである。
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