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銃器工具痕鑑定の非科学性を主張する元FBI研究室長の宣誓供述書(48) [鑑定批判]

(20) 誤って一致と鑑定する確率 承前

 NAS報告書に対するAFTEの反応は想定されたとおりであった。その対応に対して、ある法科学・法律学者は以下のように述べている。

 (AFTEの連中は)科学界の権威であるNASが投げかけた疑問に対して、一歩も譲らずに、NASの報告書は一切受け入れらるものではないとの議論を繰り返している。例えば、パターンマッチの鑑定手法は、(すでに各種の研究によって否定されているにもかかわらず)その正当性はすでに認められており、(誤鑑定が存在しているにもかかわらず)誤鑑定率はゼロであると論じている。

 彼らの最大の誤りは、サイモン・コール(Simon Cole)博士が「指紋鑑定者の誤謬」と名付けている点にある。(もっとも、同じ議論はすでに工具痕と歯形痕の解析について様々に議論されてきた。)この議論は、経験を積んだ技量のある鑑定者は、特定の痕跡(たとえば工具痕)を見たときに、そこには他の痕跡には見られない「固有の特徴」を認識できて、その「固有の特徴」を共有している痕跡は、絶対的な確実性を持って、ともに同一のもので付けられた痕跡と結論できるというものである。NAS報告書にあるように、どの痕跡にも「固有の特徴」が存在するとの証明はなく、したがって、痕跡鑑定者が二つの痕跡が「一致している」とする結論、すなわち同一の工具に由来する痕跡であるとの結論の根拠は存在しない。それにもかかわらず、痕跡鑑定者たちは、「どの痕跡にも識別可能な固有特徴が存在するので、痕跡の識別は可能であり、したがってその結論に誤りはない」と主張し続けているのだ。

   このように、AFTEは真の科学が示す現実に目を向けていない。科学界で最も権威のある組織であるNASが2本の報告書(発射痕画像データーベース報告書と法科学の現状報告書)を発表した後になっても、もっとも尊敬を集めている法執行機関(FBIとワシントンDC警察)ですら、発射痕・工具痕鑑定の誤鑑定率が実際にはどの程度であるかを確認する研究を実施することを拒否し続けている。
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