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銃器工具痕鑑定の非科学性を主張する元FBI研究室長の宣誓供述書(41)  [鑑定批判]

(19) 誤鑑定の教訓が生かされない現体制 承前

  現在、法科学分野で行われている鑑定技能検定試験は、法科学鑑定の誤鑑定率を求める上で全く価値のないものである、というのがこれまでの経験に基づく私の意見である。現行の鑑定技能検定は、様々な理由から問題がある。その理由の中には、(a)二重盲検法どころか盲検法すら使用されていない。したがって「一致」の結論を導く際には、ことさら注意深く検査を行うことになる。また「不明」の結論を出すことが許されていて、その結論が誤答とみなされないこと、あるいは誤鑑定率の集計から除かれている。(b)検定試験の問題となる資料は、ほとんどの場合で、現実の事件の資料よりずっと簡単な資料が用いられている。(c)時には、受験者にとって見覚えのある検査資料が試験に用いられることがある(組織内の資料を用いた試験の場合)。(d)組織内から不合格者を出すことは、その鑑定人の経歴に傷がつくのみならず鑑定組織の評判も落とすので、不合格の受験者が出たことを鑑定機関が明らかにしたがらない。(e)鑑定機関の体面を保持するための組織防衛が強い。(f)職員をかばうため、受験者が正答を出すまで、試験をやり直させることがある。(g)日々の鑑定では一人で鑑定させている業務を、技能検定の場合は複数で担当させる配慮をする。(h)誤答が出た場合、その答案を破棄してしまい、保管しない。などが挙げられる。

 銃器と工具痕鑑定の鑑定結果の検証には、統計学者と金属/材料学者を加えて行うことが適切であるということが私の信念だが、今のところ銃器工具痕鑑定者学会(AFTE)も銃器工具痕に関する科学的ワーキンググループ(SWGGUN)も、鑑定に用いられている方法論の検証に、これらの外部の学者を加えて行うつもりが全くない。事実、高名な学者を加えて行おうと呼びかけた検証研究は、警察組織の鑑定者によってすべて拒絶されてしまった。現実的な誤鑑定率を求める科学的研究は、裁判所がその数字が必要だというまでAFTEは行わないだろうというのが、私を初め、様々な学者や科学者の間で共通した意見である。工具痕の比較対照に、裁判所だけでなく高名な学者やNRC/NASが関心を持ったのは、ごく最近になってからのことである。数十年にわたって工具痕鑑定者の仲間内で認められてきた個体識別の技術が、科学界で一般に認められたものというわけにはならない。この分野で行われている痕跡を付けた工具を特定する結論は、科学的に有効と認められた手法に基づいて行われているものではなく、科学的根拠がないというのが私の意見である。
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