So-net無料ブログ作成
検索選択

銃器工具痕鑑定の非科学性を主張する元FBI研究室長の宣誓供述書(38) [鑑定批判]

(19) 誤鑑定の教訓が生かされない現体制 承前

 工具痕の由来物を特定した鑑定結果が誤りであっても、それは様々な理由から明らかとならない。第1の理由として、AFTEの閉鎖性が挙げられる。AFTEのような閉鎖集団内の論文査読では、他の学問分野の観点からの批判が弱い。たとえば、少なくとも1620年から社会心理学や研究方法論の分野では認知されていた「先入観に基づく誤り」について分かる人がいない。先入観に基づく誤りについては多くの研究者によって論じられている。たとえば「特に法科学は人間の知覚で判断することが多く、通常の科学手法に基づく手法が用いられない分野であることから、先入観に基づく誤りが発生しやすい」といった見解がある。多くの研究者によって明らかにされている先入観に基づく誤りは、初めからある想定や信念に反する事実が目に入らなくなることによって発生する。銃器工具痕鑑定のように、主観的な判断を行っている分野では、先入観に基づく誤りには、最も気を付けなければならない。スペインの列車爆破テロ事件の捜査において発生したブランドン・メイフィールド事件は、この先入観に基づく誤りが発生した好事例である。この事件では、経験豊富で、指紋鑑定分野で高名な複数の指紋鑑定者が(弁護側の鑑定人1名までもが)、この種の誤りに陥ってしまった。そして、最初の鑑定を確かめた鑑定までもが誤った結論を導いたのだ。弁護側の鑑定者までが、捜査側鑑定を追認したことは、(以前の鑑定が正しいだろうという)期待に基づく判断の誤りは、鑑定者の個別の先入観による誤りよりも強いものと考えられる。ブランドン・メイフィールド事件は、同様のパターン認識による鑑定を行っている銃器工具痕鑑定において、決して無縁のものではない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。