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銃器工具痕鑑定の非科学性を主張する元FBI研究室長の宣誓供述書(33) [鑑定批判]

(16) 偶然に一致する確率:全米科学アカデミーの見解

 すでに述べたように、NRCのバリスティック・イメージング報告書では、工具痕に固有性があるという仮定は科学的に証明されていないと述べられている。報告書ではさらに、「最新の技術を使用するようになって、さらに訓練や経験が集積したとしても、工具痕鑑定者が論理的でない基準に基づいた主観的な判断を行っているという現状に変化は生じないないだろうし、鑑定のエラーレイトの統計的推定値も明らかにならないだろう」と述べている。繰り返しとなるが、「工具痕の固有性を確率的に定量化するためには、相当多くの研究を行う必要がある」とも述べられている。工具痕の固有性が科学的に確立され、あるいは認められたとしても、工具痕の由来物を特定した結論の確からしさの確率統計的評価を行う次のステップが残されている。そこでは、偶然に痕跡が「一致する」確率が推定できなければならない。その解析には、次のような2ステップが必要となる。:(1)その鑑定結果が、二つの工具痕が共通のものに由来する場合に得られる確率の推定(反復性の推定)、(2)その鑑定結果が、二つの工具痕が異なるものに由来する場合に得られる確率の推定(固有性の推定)。これら2つの問題に対する有効な回答なしでは、鑑定結果の確実性を明らかにすることはできない。AFTEの文献には、これらの問題に対する回答を示したものは存在しない。銃器鑑定者は、「一致」結論の確実性の証明なしに、絶対的に正しい結論であるとの主張を続けている。リベラ(Rivera)による偶然の発見によって、同じ会社が製造した同一口径の異なる銃器で、容疑者が購入した地域と近い場所に出荷された銃器の中には、容疑者の銃器の痕跡ときわめて類似性の高い痕跡を残すものがあることが明らかとなっている。現在では使用されなくなった鑑定法である鉛弾丸の成分分析法(CBLA)を我々が研究した際に、「地理的クラスター」と呼ばれる出荷地域による類似性の出現は、論理的にも確認され、経験的にも驚くほど高い出現率であった。
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