So-net無料ブログ作成
検索選択

2007年犯罪銃器識別法(カリフォルニア州法1471) [法規制]

拳銃部品の二箇所以上に、銃器の製造業者、モデル名と銃番号を示すマイクロ刻印が施されていない自動装填式拳銃は、「安全でない拳銃(unsafe handgun)」に該当するすものとし、カリフォルニア州では新規の製造、販売並びに移動を禁止する法律。名称は2007年犯罪銃器識別法(The Crime Gun Identification Act of 2007)であるが、その内容から「銃器のマイクロ刻印法」とも呼ばれる。法律では規定されていないが、拳銃部品の2か所として想定されている部分は撃針先端と遊底頭面である。

2007年10月13日にアーノルド・シュワルツェネッガー知事がこの法案に署名したことにより、2010年1月1日からこの法律が施行されることになった。これにより、犯罪現場に遺留された打ち殻薬きょうを顕微鏡観察することで、発射拳銃のメーカー、モデル、銃番号が判明し、カリフォルニア州内で販売された拳銃であれば、登録上の持ち主が判明する。それまでに販売を許可されていた型式の自動装填式拳銃の所持は引き続き認められる。

この法律に関しては賛否両論があるが、反論の主なものは、犯罪に使用される銃器は正規に販売されたものではなく、善良な所持者への負担だけ重くなる。カリフォルニア州外から持ち込まれた拳銃が犯罪に使用されるようになる。自動装填式拳銃ではなく、回転弾倉式拳銃やライフル銃が犯罪に使用されるようになる。拳銃部品のマイクロ刻印は簡単に消し去ることができる。盗難拳銃が犯罪に使用されることになり、拳銃盗難の増加や善良な市民に嫌疑がかかるようになる。法執行機関が使用する拳銃が対象から除外されたが、法執行機関が「安全でない拳銃」を職務に使用するのはおかしい、などだが、拳銃所持が認められている国ならではの問題点の指摘もある。射場に転がっている識別マークが残された他人の拳銃の打ち殻薬きょうを収集し、犯罪現場で自分の打ち殻薬きょうは回収し、収集した打ち殻薬きょうを撒いて退散する犯罪者が出てくるという問題である。弾丸と薬きょうを詳細に鑑定することによって、矛盾点を洗い出す必要が生じるだろう。

これらの批判に対する反論は次のようである。カリフォルニア州の殺人事件の統計によると、年間2,400件の殺人事件の約半数が未解決に終わるが、殺人事件の60%で拳銃が使用され、最近ではその大半が自動装填式拳銃である。ATFの調査結果では、カリフォルニアでの犯罪銃器の71%がカリフォルニア州内で販売されたものという。善良と思われる銃器購入者の中でも、犯罪使用拳銃の正規購入者として複数回該当するような人物は、犯罪者に横流しする人物(ストロー購入者)であり、その特定につながる。

この法律の実効を上げるために、マイクロ刻印を消し去った撃針では不発となる技術の開発や、少ない文字数で多くの銃器情報を統一的に含めることのできる銃器識別番号(FIN-Firearm Identification Number)の開発などが考えられている。しかし、口径9mm以上の自動装填式拳銃の多くが採用している慣性撃針は、その長さにかなりの余裕をもって設計されており、撃針の先端を少々削っただけで不発になるような設計にすると、削らなくても不発率が高まり、いざという時に使いものとならない拳銃になりかねない。

発射痕の再現性が低いことから、日々鑑定に苦労を重ねている発射痕鑑定者の健全な想像力をもってすれば、マイクロ刻印の再現性やその劣化がどの程度かの予想は、実験を行うまでもなく想像できる。この法律の施行後には、素晴らしい効果を上げる事件もあれば、使いものにならない事件もあるという現象が生じるだろう。その時の反響を見たいものだ。

この技術及び捜査手法は、うまくいけば犯罪に用いられた拳銃が遺棄されてしまった場合でも容疑者にたどりつく可能性を提供する。マイクロ刻印がない拳銃は違法拳銃となるため、善良な所持者は、刻印が薄くならないように管理していく必要がある。拳銃を所持するという権利には、それ相応の義務が伴う方向性を示した法律といえるだろう。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。