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キンダー報告書 [発射痕鑑定システム]

キンダー報告書(キンダーほうこくしょ)

ベルギーの犯罪科学研究所のヤン・デ・キンダー博士(Jan De Kinder)がターナー博士らと共同で行った研究結果の報告書で、2004年に国際法科学誌に公表された。実験に用いた試射薬きょうはターナー博士側が提供し、それをキンダー博士の研究所のIBISを用いて検索を行った結果をまとめたものである。その結果はターナー報告書と同様で、IBISは現場薬きょうデーターベースは機能しても、それを新規販売拳銃すべての痕跡を登録するシステム(RBID-Reference Ballistic Imaging Database)に拡張すると、検索機能が有効に機能しないだろうというものであった。

実験に用いたけん銃は、口径9mmルガー、シグ・ザウエル(SIG Sauer)自動装填式拳銃600丁である。これらの拳銃はカリフォルニア州のサクラメント地区周辺の警察官の装備拳銃で、内訳はP226が554丁、P225が15丁、P228が29丁、P229が2丁であった。これらの拳銃は、型式によってサイズは異なるものの、構造や製造過程が類似していることから、打ち殻薬きょうに残される痕跡は同様のものである。それぞれの拳銃からレミントン社製実包2発とウインチェスター、スピアー、ウルフ、フェデラル及びCCIブランドの実包各1発の合計7発がカリフォルニアで試射され、総計4,200個の試射薬きょうがベルギーに送付された。ベルギーでは、レミントン社の試射薬きょう1個ずつがIBISに登録され、そのデーターベースに対して、2発目のレミントンの試射薬きょう及びレミントン以外の試射薬きょうの痕跡の検索を行った。すべての薬きょうについては行われず、レミントンは32個、レミントン以外は160個の試射薬きょうが乱数で選択され、検索に回された。

キンダー報告書では、トップ10にヒットした割合が集計されているが、レミントン同士の比較では72%がトップ10以内でヒットするが、異なる種類の薬きょう相互の比較では21%しかトップ10以内にヒットしなかった。この数字がターナー報告書のフェデラル同士の62%と異なる種類間で比較した場合の38%のヒット割合と同等であると総括している。ただ、レミントン同士だと合わせやすいという鑑定者の経験に沿った傾向がこの数字から感じられる。なお、異なる種類の薬きょう間の比較結果では、レミントンとフェデラルの間での比較成績が最も悪かった。

ヒットランキングは、データーベースのサイズを大きくしていくとほぼ直線的に低下するが、最初からヒット順位が低いものの方が急速に低下して行った。計算時間もデーターベースサイズに比例して長くなるが、当時の計算機の性能でデータベースサイズを1万にした場合には、1件の検索に45.9分かかるものと推定された。

ターナー報告書が発表されたとき、なぜフェデラルを使用したのかとの批判があったが、キンダー報告書により、レミントンを用いても改善の程度はわずかであり、レミントンの試射資料をデーターベースに登録していてたとしても、それ以外の種類の実包を犯罪に用いられたならば、検索結果はターナー報告書同様、あるいはそれ以下のの思わしくない結果となることが示された。


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