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試作工具痕 [鑑定法]

試作工具痕(しさくこうぐこん)

現場工具痕との比較用に、容疑の工具を用いて作成される工具痕。

工具痕鑑定では、元々ある二つの痕跡を対照する鑑定もあるが、証拠資料から新たに痕跡を作成して鑑定する場合に、作成される痕跡をいう。容疑の工具が押収されても、それを用いて対照用の痕跡を作成しないと、現場工具痕がその工具によって加工されたものであるか否かの結論が得られないからである。このとき作成する工具痕が試作工具痕である。工具の種類によって特別な名称もあり、発射痕鑑定においては試射弾丸あるいは試射薬きょうと呼ばれる。

犯罪証拠の中で、証拠そのものの分析を行うものと、証拠物件を用いて作成されたものを分析するものとがある。現場工具痕と押収工具の関連を調べる工具痕鑑定は後者に該当する。これと同様の鑑定には証拠物件そのものが容疑者となものがある。残された筆跡や録音と、容疑者との関連を調べる鑑定がそれに当たる。これらの分野では、容疑者に文字を書かせたり、特定の言葉を発声させたりして対照資料が採取される。これらの鑑定では対照資料を採取する際に、容疑者が意図して筆跡を変えたり、声質を変えたりすることができる。
これに対して、DNAや薬物鑑定は、押収資料や採取資料そのものを分析する。一方、顔貌鑑定では、容疑者は自分の顔を提供するだけで、撮影画像が対照資料となり、対照資料が容疑者そのものである点が特殊だが、資料そのものを分析している。

対照資料を作成しなければならない鑑定では、対照資料作成の巧拙により鑑定結果が変化してしまう。「相違」の結果を出すような対照資料の作成は容易であり、「同一」の結論を出すために苦労しなければならないことが多い。この行為は、得てして恣意的な証拠捏造作業と見られる可能性がある。

試作工具痕作成にあたって、加工品の材質が現場工具痕と同等である方が良い結果が得られる場合が多い。しかし、現場工具痕が残されている材料が硬い材質の場合、試作工具痕を最初からその材料で作成すると工具を変化させてしまう可能性が高いことから、通常柔らかい材料を用いて作成される。工具を当てる角度等の条件が決まってから、改めて硬い材料で試作工具痕を作成する場合もあるが、柔らかい材料を用いた比較対照結果によって、結論を出してしまう方が証拠資料の保全からも望ましい。この場合、両者の痕跡の深さや微細形状に相違点が生じている。

英語ではTest Markである。


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